外国人雇用は、 労働法令遵守だけでは 不十分です。
賃金・労働時間・社会保険が適正でも、 「その外国人を、その会社で、その仕事に就かせてよいか」 は別の問題です。
外国人雇用では、在留資格と実際の仕事内容が結び付いています。 採用、配置転換、兼務、シフト、休職、退職――通常の人事判断の一つひとつに、 入管法上の確認が必要となる場面があります。
外国人雇用について相談する普通の労務相談との違いは、 雇用の「前提」入管法まで見ること。
通常の労務相談では、労働条件、労働時間、社会保険、就業規則、休職、退職・解雇など、 「どう雇用するか」を整えます。
在留資格には、それぞれ日本で行うことが認められている活動があります。 したがって、雇用契約が適法でも、最低賃金を守っていても、社会保険に加入していても、 実際の仕事内容や条件が在留資格に合っていなければ入管法上の問題が生じます。
たとえば、こんなとき。 「労務だけ」では判断が終わりません。
外国人雇用のリスクは、特殊な事件ではなく、日常の人事判断の中に潜んでいます。 何が問題なのか、どこまで確認すべきかを具体的に整理します。
「技術・人文知識・国際業務」の転職者。うちの仕事でも、そのまま採用して大丈夫か。
「前職でも同じ在留資格だった」「在留カードの期限が残っている」だけでは十分とは限りません。 在留資格は、外国人本人の肩書だけではなく、実際に従事する活動内容との関係で判断されます。 新しい会社で予定している職務が、在留資格で認められる活動に該当するかを採用前に確認する必要があります。
人手不足なので、外国人社員にも現場作業を手伝ってもらいたい。
日本人社員なら通常の配置命令や職務変更の問題として処理できる場面でも、外国人社員では 在留資格上、その業務に従事できるかという別の確認が必要です。 「一時的だから」「少しだけだから」と現場判断で仕事を追加すると、実際の就労内容と在留資格がずれることがあります。
繁忙期だから、留学生アルバイトのシフトを増やしたい。
留学生等がアルバイトを行うには資格外活動許可が必要となる場合があり、包括許可では原則として 1週28時間以内という上限があります。自社だけの勤務時間ではなく、複数のアルバイト先があれば合計時間の問題も生じます。 通常の勤怠管理とは別に、在留上の就労可能範囲を意識した管理が必要です。
昇進させたい。別部署へ異動させたい。出向させたい。
外国人社員のキャリア形成を進めるほど、入社時には想定していなかった職務変更が起こります。 管理職化、営業から現場への異動、グループ会社への出向など、 雇用関係・所属先・実際の活動内容が変わる場面では、在留資格との整合性を改めて確認する必要があります。
社会保険労務上の処理が適法なら、それで終わりなのか。
休職、退職、解雇によって、外国人本人の就労実態や所属機関との関係が変われば、 在留資格や今後の手続にも影響する可能性があります。 会社にとっては「退職手続」でも、本人にとっては 日本での就労・収入・在留生活の前提が変わる出来事になり得ます。
入管法を知らないことは、 単なる「手続の失敗」ではありません。
外国人雇用では、一つの判断ミスが、会社の法令違反だけでなく、採用計画、人員配置、取引、受入れ体制、 そして外国人本人の在留・就労・生活へ連鎖する可能性があります。
不法就労をさせたり、あっせんした場合、事業主側も処罰対象となり得ます。 2026年10月現在は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金等で、 2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金等へ引き上げられます。
在留カードを確認していないなどの過失がある場合には、 「不法就労だとは知らなかった」というだけで当然に責任を免れるわけではありません。 採用時の確認を社内プロセスとして定着させることが重要です。
就労内容や雇用関係の変化は、在留資格の更新・変更などに影響する可能性があります。 本人にとっては、仕事、収入、住居、家族を含む日本での生活基盤に関わる問題となり得ます。
採用前から退職まで。 人事の流れそのものに入管の視点を組み込みます。
外国人雇用管理は、在留カードを一度確認して終わりではありません。 雇用関係や仕事内容が変わるたびに、確認すべき論点も変わります。
一件ずつ相談するだけでなく、 会社の管理体制として残す。
外国人が増えるほど、代表者や人事担当者の頭の中だけで管理することは難しくなります。 誰を、いつ、何を確認するかを社内ルールへ落とし込み、属人的な管理から脱却します。
労務と入管を、 別々の問題として扱わない。
外国人雇用では、労働法上の適法性と、入管法上の就労可否が交差します。 労務管理を軸にしながら、在留資格・外国人雇用実務・行政実務の知見を組み合わせて判断します。
当法人には、代表をはじめ社会保険労務士等の有資格者が複数在籍しており、それぞれの専門性と実務経験を持ち寄りながら、外国人雇用に関するご相談を法人として支援しています。
監理団体・監理支援機関等向け外部監査
外国人を雇用する企業への支援とは別に、外国人受入れを監理する側の適正性を第三者として確認する外部監査サービスも展開します。 企業側の労務管理と、受入れ制度側の監査を別の入口から支援します。
採用する前に。 配置を変える前に。 問題になる前に。
在留資格と仕事内容、労働条件、現在の管理方法を確認し、 外国人を円滑に採用・雇用し続けられる体制を整えます。
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