障害者の法定雇用率が2.7%へ引上げ|令和8年7月から企業が確認すべき実務対応

2026/06/16 全記事, 法改正
障害者の法定雇用率が2.7%へ引上げ|令和8年7月から企業が確認すべき実務対応
障害者雇用の対象企業向け
障害者の法定雇用率が引上げ

民間企業における障害者の法定雇用率は、現在の2.5%から、令和8年7月以降は2.7%に引き上げられます。これにより、障害者を1人以上雇用する義務のある企業規模も、現在の40人以上から、令和8年7月以降は37.5人以上へ拡大されます。

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この記事の結論
  • 令和8年7月から、民間企業の障害者法定雇用率は2.5%から2.7%に引き上げられます。
  • 障害者を1人以上雇用する義務のある企業規模は、40人以上から37.5人以上に拡大されます。
  • 常時雇用労働者100人超の企業では、障害者雇用納付金の申告・納付への影響を確認する必要があります。
  • 常時雇用労働者37.5人以上の企業では、令和9年度以降の障害者雇用状況報告、いわゆるロクイチ報告の対象となる可能性があります。
  • 法定雇用率の達成には、採用活動、業務の切り出し、職場環境の整備、入社後の定着支援など、早めの準備が重要です。
Legal Employment Rate

障害者の法定雇用率とは何か

障害者の法定雇用率とは、一定規模以上の事業主に対して、常時雇用している労働者数に応じて、一定割合以上の障害者を雇用することを求める制度です。民間企業では、令和8年6月までは2.5%、令和8年7月以降は2.7%の法定雇用率が適用されます。

なお、障害者雇用では、単に人数を確認するだけでなく、常時雇用労働者数、短時間労働者のカウント、雇用障害者数、障害者手帳等の確認、合理的配慮、職場定着支援まで含めて、継続的に管理していくことが重要です。

POINT 01

常時雇用労働者数

法定雇用率の対象となるかは、会社の常時雇用労働者数をもとに確認します。

POINT 02

雇用障害者数

身体障害者、知的障害者、精神障害者について、制度上のカウント方法に沿って確認します。

POINT 03

ロクイチ報告

毎年6月1日時点の障害者雇用状況を、ハローワークへ報告する手続きです。

POINT 04

納付金制度

常時雇用労働者100人超の企業では、未達成の場合に障害者雇用納付金の対象となります。

「37.5人以上」という表現は、短時間労働者を0.5人としてカウントする場合があるためです。通常の人数感覚では分かりにくいため、対象企業では自社の常時雇用労働者数を正確に把握しておく必要があります。
Rate Change

令和8年7月からの変更点

今回の引上げにより、法定雇用率そのものが上がるだけでなく、障害者を1人以上雇用する義務のある企業規模も拡大されます。

区分 令和8年6月まで 令和8年7月から
民間企業の法定雇用率 2.5% 2.7%
障害者を1人以上雇用すべき企業規模 常時雇用労働者40人以上 常時雇用労働者37.5人以上
実務上の影響 40人未満の企業は、原則として雇用義務の対象外 37.5人以上40人未満の企業も、新たに雇用義務の対象となる可能性あり
Main Points

実務対応の主なポイント

法定雇用率の引上げにより、企業規模に応じて確認すべき内容が変わります。特に、常時雇用労働者100人超の企業と、37.5人以上の企業では、納付金やロクイチ報告への影響を確認しておく必要があります。

対応 01

自社の常時雇用労働者数を把握する

まずは、正社員、契約社員、パートタイマー、短時間労働者などを含め、自社の常時雇用労働者数を確認します。

対応 02

必要な雇用障害者数を確認する

法定雇用率2.7%を前提に、自社で何人の障害者雇用が必要となるかを確認します。

対応 03

採用・定着支援を早めに進める

障害者雇用は、募集してすぐに採用できるとは限りません。業務の切り出しや職場環境の整備も含め、早めの準備が必要です。

37.5 Employees

1.37.5人以上の企業は、新たに対象となる可能性があります

令和8年7月以降、民間企業の法定雇用率が2.7%に引き上げられることにより、障害者を1人以上雇用する義務のある企業規模は、常時雇用労働者37.5人以上となります。

これまで40人未満であったため対象外と考えていた企業でも、短時間労働者を含めたカウントによって37.5人以上となる場合には、今後は法定雇用率の対象となる可能性があります。

特に、パート・アルバイトを多く雇用している企業では、人数の見た目だけでなく、制度上の常時雇用労働者数として何人になるかを確認することが重要です。
Levy System

2.100人超の企業は、障害者雇用納付金への影響に注意

常時雇用労働者100人超の企業では、法定雇用率を達成していない場合、障害者雇用納付金の申告・納付の対象となります。

令和9年度の障害者雇用納付金の申告では、令和8年7月以降の期間について、引上げ後の法定雇用率2.7%を前提に確認する必要があります。そのため、現時点で法定雇用率を下回っている企業は、早めに不足人数を把握しておくことが重要です。

注意:法定雇用率の引上げは、納付金額に直結する可能性があります

これまで不足人数が少なかった企業でも、法定雇用率の引上げにより不足人数が増える可能性があります。納付金の申告時期になって慌てるのではなく、事前に雇用状況を確認し、採用計画や業務の切り出しを検討しておきましょう。

June 1 Report

3.37.5人以上の企業は、ロクイチ報告の対象となります

障害者雇用状況報告、通称「ロクイチ報告」とは、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークへ報告する手続きです。

令和8年7月から法定雇用率が2.7%に引き上げられるため、令和9年度のロクイチ報告では、37.5人以上の企業が報告対象となります。また、対象企業では、障害者雇用の促進と継続のため、障害者雇用推進者の選任に努める必要があります。

令和8年7月になった時点で、直ちに新たな報告期限が到来するわけではありません。ただし、令和9年6月1日時点の報告や、今後の雇用義務を見据えると、令和8年中から準備を進めておくことが安全です。
Practical Flow

実務対応の流れ

障害者雇用は、単に求人を出して終わりではありません。法定雇用率の達成に向けて、人数確認、職務設計、採用、定着支援を一体として進める必要があります。

STEP 01

人数を確認する

常時雇用労働者数と雇用障害者数を確認し、法定雇用率を満たしているかを把握します。

STEP 02

業務を切り出す

本人の特性に合う業務を検討し、無理なく継続できる職務内容を整理します。

STEP 03

採用活動を行う

ハローワーク、支援機関、特別支援学校、就労移行支援事業所などとの連携を検討します。

STEP 04

定着支援を行う

入社後の面談、職場内の相談体制、合理的配慮、周囲への理解促進などを継続します。

Important

障害者雇用は、人数合わせではなく定着支援まで含めた対応が重要です

法定雇用率を満たすことは重要ですが、採用後に職場に定着できなければ、企業にとっても本人にとっても望ましい結果にはなりません。業務内容、勤務時間、コミュニケーション方法、相談体制、職場内の理解、合理的配慮などを含めて、継続的に働ける環境を整えることが重要です。

Checklist

企業が確認すべき事項

  • 自社の常時雇用労働者数を把握しているか
  • 短時間労働者のカウント方法を確認しているか
  • 現在の雇用障害者数を把握しているか
  • 令和8年7月以降の法定雇用率2.7%で不足人数を確認しているか
  • 障害者雇用状況報告の対象となるか確認しているか
  • 障害者雇用推進者の選任を検討しているか
  • 採用可能な業務の切り出しを行っているか
  • ハローワークや支援機関との連携を検討しているか
  • 合理的配慮や職場内の相談体制を整えているか
  • 採用後の定着支援、面談、フォロー体制を整えているか
障害者雇用は、早めの準備が重要です

法定雇用率の達成には、求人票の作成、業務の切り出し、職場環境の整備、支援機関との連携、入社後のフォローなど、一定の準備期間が必要です。対象となる可能性がある企業では、令和8年7月の引上げを見据えて、早めに自社の状況を確認しておきましょう。

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Target

特に確認をおすすめする企業

  • 常時雇用労働者が37.5人以上40人未満の企業
  • 常時雇用労働者が100人を超える企業
  • 現在、法定雇用率を達成していない企業
  • 障害者雇用状況報告の対応が属人的になっている企業
  • 障害者雇用推進者や社内の相談体制が未整備の企業
  • 障害者雇用を進めたいが、業務の切り出しや採用方法に不安がある企業
Summary

まとめ:法定雇用率の引上げを見据え、早めに自社の状況を確認しましょう

令和8年7月から、民間企業における障害者の法定雇用率は2.5%から2.7%に引き上げられます。これにより、障害者を1人以上雇用する義務のある企業規模も、40人以上から37.5人以上に拡大されます。

実務上は、令和8年7月になった瞬間に新たな報告期限が到来するわけではありません。しかし、令和9年度以降の障害者雇用状況報告や、障害者雇用納付金への影響を考えると、早めに常時雇用労働者数と雇用障害者数を確認し、必要な取組を進めておくことが重要です。

障害者雇用は、単なる人数合わせではなく、業務の切り出し、職場環境の整備、合理的配慮、入社後の定着支援まで含めて取り組む必要があります。対象となる企業では、この機会に自社の雇用管理体制を見直しておきましょう。

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